9月定例会 一般質問② 南部4小学校の統廃合に伴う南部・山辺の活性化 

ふとした時に金木犀の香りが漂う季節になりました。

9月19日の一般質問続きを掲載します。(2項目目の南部4小学校の統廃合に伴う南部・山辺の活性化について)

小千谷市議会議会中継 http://www.discussvision.net/ojiyasi/index.html

二項目目として、南部4小学校の統廃合に伴う南部・山辺の活性化に関することについて、質問致します。

一点目として、南部4小学校の統廃合にかかわり、4小学校が廃校となりますが、特別支援学校に移行する塩殿小学校を除く川井・岩沢・真人の3小学校の後利用に関して、具体的な方針や方策は整っているのでしょうか。各地域とも小学校は大切な地域コミュニティーの大きな核であり、廃校は、一歩間違えば、過疎化への拍車をかけることが大いに懸念されます。地域の発展計画プランの中で、住民の夢と参画のもと、市のサポートや協働の中で、住民のやる気や活力が出てくると思います。後利用検討委員会の設置等、市の具体的な方針・方策を市長お聞かせ下さい。

(市長答弁)地域にとって小学校がなくなることは大きな問題だと認識している。市としても学校教育課だけではなく、全庁的に施設利用の可能性を検討しているところ。後利用については地元地域の意向を最大限に尊重すべき。南部地区統合対策委員会を地元の窓口として協議・検討を進めたい。

二点目として、「環境うるおい基金」設置の背景には、JR東日本の不正取水があり、10年間にわたる違法な取水を行い、北陸地方整備局への虚偽報告をしていたJR東日本に対し、2009年2月13日水利権の取り消し、取水停止が行われ、発電の再開に、水利権の再取得が必要であり、流域地方公共団体・関係利水者との賠償・発電利益還元金での清算として支払われたものを環境うるおい基金として設置したものと理解しております。

長野県飯山市にある西大滝ダムから宮中取水ダムを経て、川口町にある魚野川との合流点までの63.5㎞の区間が川の水量が極端に少ない「減水」状態となり、大河信濃川としての景観不良、夏では水温30度を超える生態系の破壊、水量が少ないことで起こるヘドロの乾いた異臭発生など、JR東日本の不正取水で多大な迷惑を被ったのは、小千谷市においては、特に、南部・山辺地域ではないのでしょうか。

また十日町・小千谷市南部を始めとした減水地域63.5㎞の沿川住民の叫びが不正を正してきた歴史があります。

「環境うるおい基金」は、小千谷市南部・山辺地域の苦しみや補償のもとの基金と思います。歴史を振り返ってみても、南部・山辺地域住民の大きな信濃川発電所への貢献と犠牲の中で、涙と汗の結晶の中で、脈々と築かれてきたことを忘れてはなりません。

小千谷発電所は1号から2号機発電開始を1951年(昭和26年)に始められたものであり、その1年前、第8回国会参議院電力問題に関する特別委員会が昭和25年10月10日に開かれ、石坂豊一議員が山辺発電所の隧道工事において、落盤事故が発生し、40数名の貴重な人命が失われた惨状を報告しております。

私から見ると祖父母の世代であり、戦後間もなく一家の大黒柱を落盤事故で失った南部や山辺の住民の方の苦悩が信濃川発電所の歴史の中にあることもしっかりと受け止め、「環境うるおい基金」を使用した小千谷の活性化、地域共生策に、南部・山辺地域の活性化、特に教育・文化の振興として3小学校の後利用に、何らかの支援や方策を取ることも重要と考えます。

市長の見解を伺うとともに、「環境うるおい基金」を使用するなどした具体的な南部・山辺地域の活性化策をお聞かせ下さい。

(市長答弁)環境うるおい基金の事業の実施に当たっては、地区を特定することなく全市域が対象となるもの。地域の振興策に関する地元の意向と基金の目的がうまくかみ合うものであるかどうか見極めていく必要がある。

最後に、三点目として、3小学校の後利用に関しては、地元町内の十分な意向も踏まえた上で、農業振興や若者定住促進、女性の起業など、現代の地域活性化に肝となるような戦略も打ち出していく必要があると考えます。大学生インターンを受け入れている内ヶ巻「絆」や岩沢の「アチコタネーゼ」、真人の若栃未来会議、川井の高場山マラソン実行委員会や高場山あじさい村育成会、山辺のグリーンライフ小千谷など様々な地域活性化の住民グループが意欲的に活動されています。住民による地域活性化グループに対する支援も含めた後利用支援の考えはないか、見解をお聞かせ下さい。

(市長答弁)地域活性化グループによる活用も含めて、地域にとって望ましい形で活用されるよう、地元の意向を尊重しながら、総合的に検討してまいりたい。

(再質問)環境うるおい基金、全市が対象との答弁だったが、小千谷の信濃川発電所をめぐる歴史・過程では、不正取水に関しては、先ほどの質問では、魚野川の合流点までが、減水被害を受けましたといわせていただいたが、南部出身の田中議員からは山本の発電所までが、減水被害を受けたといわれました。小千谷でいえば、真人・岩沢・川井・坪野・細島ですよ。また、真人地域・池が原地域には、住宅地に信濃川発電所の隧道トンネルが通っています。今までも、たびたび、陥没や地下水の減少等、南部・山辺地域は被害をこうむっています。不正取水だけでなく、施設がある限り、影響は続きます。また河川敷もアカシアなどの雑木が生い茂り、荒れ放題、洪水時に被害が懸念されます。こうした歴史を踏まえれば、河川敷の整備や南部・山辺の活性化に環境うるおい基金を使用することにもう少し積極的な支援の考え方があってもいいのではないでしょうか。

(答弁)この問題については過去何回か議会でも答えた。トンネルの問題など、別の問題として、放置するのではなく、JRと協議しながら対応していく。トンネルから流れている水を使って灌漑に使用していることもある。必ずしも、すべてが問題である、すべてがネガティブであるとは私は考えていない。起こった問題はきっちりと仕分けして調査して対応していく。環境うるおい基金はそれとは別に信濃川の環境に対して設けたものであるので、その趣旨にあった使い方をすべきと考えている。

(再質問)被害や影響の部分を言っているわけではなく、南部・山辺の歴史を踏まえてほしい。すべてといっているわけではない。南部・山辺地域への環境うるおい基金の積極的な活用を図るべきではないか。信濃川が流れている地域にもっと光をあてるべき。真人では、昔は「やな」が2つもあり、鮭の遡上があり、南部地域でも、多くの渡し船があるなど、南部・山辺地域は、信濃川と密接に生活がつながってきた歴史があります。市長は負の遺産ばかりではないというが、信濃川と密接につながってきた生活の歴史の中で、信濃川水力発電の取水により、荒れた信濃川中流域を取り戻す闘いが、十日町・小千谷でも、流域住民の方たちの尽力があって行われ、こうした努力が環境うるおい基金というモノに結実したのではないでしょうか。市長も、こうした歴史を踏まえ、是非、地元の声を聞き、南部・山辺地域の活性化に力をお貸しいただきたい。

(市長)今、「やな」があったと言われたが、もう、漁協との十分な話し合いがされているはず。もしそれを超えてそれ以上のことが行われていたら問題だが、遠い前のことのようなので私はわからない。繰り返しにあるが、何が問題で何が原因でそうなるのかを切り分けながら、JRと話をするときはしていくべき。決して放置する話ではないが。

流水の少ない大河信濃川(川井真皿と塩殿細島)

「水が消えた大河で JR東日本・信濃川大量不正取水事件」(三浦英之・現代書館・2010年)

※「水が消えた大河で」では、歴代十日町市長のそれぞれのくだりも出てきますが、そのくだりも、大変興味深く読みました。政治と切り離せないこの問題について、歴代十日町市長のそれぞれの政治姿勢が象徴的に表現されています。

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