30人以下学級実現、義務教育費国庫負担制度2分の1復元に係る意見書

昨日、6月26日は、第2回定例会(6月議会)最終日でした。

私も紹介議員として、請願提出させていただいた「30人以下学級実現、義務教育費国庫負担制度2分の1復元に係る請願」が、「意見書」として採択されました。(提出先は議長に一任となります。)
こどもの「貧困」や、OECD諸国中GDPに占める教育予算の割合が最下位という日本の実態には、「この飽食の時代に」とか「豊かな日本で」と一見、信じられないと考えられる方もいらっしゃるかもしれませんが、事実です。

医師不足の課題ともリンクしますが、『アメリカの場合、「どこに居住し、どの地区の公立学校で教育を受けるかが、子どもの教育達成に影響し、ひいては社会移動のチャンスをも左右する。』(『学力と階層』苅谷 剛彦)ような実態が日本で固定化・定着化しない、させない正念場であるような時代だと私は、認識しています。

先日の総務文教委員会での説明時に資料としたもの
教育課題(30人学級請願)

30人以下学級実現、義務教育費国庫負担制度2分の1復元に係る意見書

 子どもたち一人一人が大切にされ、豊かな人間関係の中で教育が行われることは保護者・地域住民・教職員共通の願いです。そのためには教育条件整備の教育予算の確保が不可欠です。
35人以下学級について、昨年度義務標準法が改正され、小学校1年生の基礎定数化がはかられたものの、今年度小学校2年生については加配措置に留まっています。県内では小学校3年生における少人数学級の効果検証がモデル校で始まっており、今後、35人以下学級の着実な実行が重要です。
 日本は、OECD諸国に比べ、1学級当たりの児童生徒数や教員1人当たりの児童生徒数が多くなっており、一人一人の子どもに丁寧な対応をするためには、ひとクラスの学級規模を引き下げる必要があります。文部科学省が2010年に実施した「今後の学級編制及び教職員定数に関する国民からの意見募集」では、約6割が「小中学校の望ましい学級規模」として、26人~30人を挙げています。保護者も30人以下学級を望んでいることは明らかです。
社会状況等の変化により、学校は一人一人の子どもに対するきめ細やかな対応が必要となっています。また、新しい学習指導要領が本格的に始まり、授業時数や指導内容が増加しています。さらに、不登校、いじめ等生徒指導面の課題が深刻化するとともに、日本語指導など特別な支援を必要とする子どもたちの増加や障がいのある児童生徒への対応等が課題となっています。こうしたことから、学級規模縮減以外の様々な定数改善も必要です。
 子どもたちが全国どこに住んでいても、機会均等に一定水準の教育を受けられることが憲法上の要請です。しかし、教育予算について、GDPに占める教育費の割合は、OECD加盟国(28か国)の中で日本は最下位となっています。また、三位一体改革により、義務教育費国庫負担制度の国負担割合は2分の1から3分の1に引き下げられ、自治体財政を圧迫するとともに、非正規雇用者の増加などにみられるように教育条件格差も生じています。  
将来を担い、社会の基盤作づくりにつながる子どもたちへの教育は極めて重要です。未来への先行投資として、子どもや若者の学ぶを切れ目なく支援し、人材育成・創出から雇用・就業の拡大につなげる必要があります。こうした観点から、政府予算編成において下記事項が実現されるよう、強く要望します。

1.少人数学級を推進すること。その際の学級規模は、OECD諸国並みのゆたかな教育環境を整備するため、30人以下とすること。

2.教育の機会均等と水準の維持・向上を図るため、義務教育費国庫負担制度の国負担割合を2分の1に復元すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成24年6月26日
                              新潟県小千谷市議会

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